11月1日満を持して発刊
「歯科医師にファイナンシャルプランナー」

ムリ、ムダ、ムラの無い歯科医院経営とライフプランニング
デンタルダイヤモンド社
定価3,780円(3,600円+税)


前作「医師・歯科医師の正しい財産の作り方」から3年。業界に新しいマネージメントの形を創作した内容でマネージメント業界をリードする本となりました。
今回は歯科医師とFP(ファイナンシャルプランナー)に特化した内容でより身近なテーマでまとめあげました。
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2005年10月28日

新刊本「歯科医師にFP」のさわり

川村 「ボス、ホームページを見てA先生という方が相談にいらっしゃいました」

ボス 「はいどうぞ、今日のご相談は?」

A先生「私はS区で開業して3年が経ちました。開業当初はそんなに収入も無いだろうと思い税理士さんをお願いしないで自分で財務のソフトを購入して申告書を提出していました。」

ボス 「パソコン好きな先生は自分でやる人いますよね、正直あんまりお勧めは出来ませんけどね」(後述Ⅵ―6参照)

A先生「収入も順調になって増えてきて開業時の費用も経費でほとんど落としましたので、そろそろ一人前の歯科医師の所得になってきまして、今年の税金のこともだんだん心配になってきましたので友人の話を聞いたりホームページを色々みたりして税理士さんを探しました。」

ボス 「そうですか、うちのホームページのどのあたりが気になりましたか?」

A先生「クライアントに歯科医院が多いことと、なんかFPということで税金以外の生命保険とか色々な相談に対応できそうだったもので」

ボス 「はい、ありがとうございます。A先生のおっしゃるとおりです。やはり同じ業種が多いほうが情報が豊富ですし専門用語もよく理解しておりますし、歯科医師の中でも色々なケースを扱っていますので賢明な選択だと思います。人間たとえば蟹が食べたくなったら蟹の専門店で食べたほうが美味しくて安いものが食べれますからね。」(後述Ⅵ―1、Ⅵ―5参照)

A先生「そうですね、コルチコトミなどは、やはり矯正の専門医でないと出来ないですよね。」

ボス 「先生は成人矯正もされるんですか?」

A先生「はい、好きな治療のひとつですね」

ボス 「はあ、よく勉強されているんですね。」

A先生「勉強会とかは積極的に参加するようにしています、よそとの差別化が重要ですから。そこで、今日は短い時間で恐縮ですが。相談のメインはですね自分はこのままこんな感じでやっていっていいものだろうか?と、すごく漠然とした相談ですが専門家の意見を聞いてみたいなと思って。」

ボス 「そうですか、では私どもで考えている歯科医師の人生の話からさせてください。弊社もおかげさまで120件の歯科医院を顧問先に持ち、それぞれの人生を垣間見せていただき、私どもとしてお手伝いできることは何か?また、喜んでいただける仕事は何か?と常に考えて業務を行っております。そして一般の会計事務所は色々な業種を扱いますが、歯科医院はその色々な業種の中でアドバイスがとても難しい業種なんです。歯科医院の経理は先生がご自分で申告されていたように、とても簡単です。経理は難しくありません、」

A先生「そうですね、わからないところは税務署に直接聞けば教えてくれますし」

ボス 「何が難しいか!何が難しいかと言うと、それは歯科医師の特徴を理解することで浮き彫りになってきますので。その一部をご紹介いたします。川村さん歯科医師の特徴が書いてあるシートもってきてください。」

川村 「はい、こちらです。」


歯科医師の特徴

1.若くして経営者となる
2.雇われるみの立場になった期間が短い
3.他人からは儲かっているように見える
4.資産家のように見える
5.育ちが良いように受け止められる
6.上品に見える
7.長期の休暇が取れない
8.子供の教育費が高額になる
9.地域の付き合いが重要
10.銀行の信用が低くなっている
11.斜陽産業である
12.零細企業なので従業員の良し悪しが大きく影響する
13.妻の生活レベルが高い
14.生活費が高い
15.老眼が入ってくるとモチベーションが下がってくる
16.子供は女の子の確立が高い
17.45歳から50歳ぐらいが気力体力のピーク
18.公的年金に加入していないケースが多い
19.ブランド志向である
20.歯科医師会の存在が大きい
21.スタディグループでの絆が強い
22.学閥が強い
23.少し英語がしゃべれる
24.ゴルフ派か釣派か無趣味派に分かれる
25.借入金を早く返したがる 
26.体が資本の業種なのに生命保険の加入が少ない(後述Ⅴ―2参照)
27.老後の心配をかなりしている
28.子供は当然事業を継いでくれるものと信じている
29.血液型A型が多く細かいところが気になる先生が多い
30.ご夫婦ともに両親が資産家が多い
などなど


ボス 「すみません、気に触る部分もあるかとは思いますが、あたらずとも遠からずの部分もあると思います。この特徴はアドバイスをする際にとても重要なことですし、もちろん個々の先生はこれ以上に個性をお持ちなわけです。」

A先生「そうですね、私は今日が初対面ですので一般的な歯科医師のお話で構いません。」

ボス 「はい、このような経験と分析から痛切に感じることの結果としてライフプランニングの重要性を訴えているわけです。」(後述Ⅳ―1参照)

A先生「ライフプランニングですか?」

ボス 「はい、ライフプランニングです。歯科医師の人生を分析すると仮に前提として人生80歳として、25歳で国家試験を合格すると残りの人生は55年間です。しかし80歳まで働くわけではありません、理想的には65歳でリタイアを考えますから、歯科医師としては40年間です。しかし、開業時点ではきっと早くて30歳程度、そうすると自分の歯科医師人生は35年です。国家試験を合格しこの本を読む段階では皆さんはいわば歯科医師だけのフルマラソン(35年間)に自動的に参加したことになります。」

A先生「私の開業が31歳ですから、大体そんなもんですね。」

ボス 「そうですか、ではこの話も実感できると思いますよ。この歯科医師マラソンはもちろん途中で体調が悪くなりリタイアすることも考えられますから、完走することは誰にも保証されていません。しかし前提として誰しもが完走することをイメージしていますので、途中リタイヤすると思いつつ参加する人はいません、35年間には昇り坂もあるでしょう、下り坂もあるでしょう突然観客が突入して妨害を受けることもあるでしょう雨や風、猛暑などなど・・・、実際に走るマラソンと違い、歯科医師マラソンには特殊ルールがあります。スタート時は一人で走ってもいいですが途中は必ず家族で走ることがルールとなっています。そしてこのマラソンは時間を競うものでもなく走った距離を競うものでもなく競うものは自分の中にあることも特徴です。自分のイメージに近い人生を送られた人が自分で自分を褒めるというものです。もちろん運命共同体である家族とともにですが・・・・。」

A先生 「そうですね、私もすでにスタートを切って参加しているわけですね」

ボス  「そこでこの35年間でどのような歯科医師として生きていくかももちろん大事です、そうです、できるだけ呼吸は一定のほうが疲れませんし途中リタイアの危険性も少ないでしょう、わき目も触れずゴールにまっしぐらというのも味気ないですね」

A先生 「私の場合は少し周りの景色とかみながらマラソンを楽しんでできるだけ家族揃って笑いながら完走したいですね。」

ボス 「そうですね、私も同感です。せっかく産まれてきましたので人間的なゆとりの中で人生過ごしたいですし、ゴールしたと同時にばったりというのも格好いいものではないですよね。それにいくら家族揃ってニコニコしてゴールしたとしてもその時点から夫婦揃ってのセカンドライフが始まるわけです。」(後述Ⅳ―4参照)

A先生 「そうですね、そのセカンドライフを不安に思うのではなく、実は楽しみにしたいんです。」(後述Ⅱ―3参照)

ボス 「ポイントは2つ、1つ目、35年間どのように仕事とプライベートのバランスを取るか?メンタルな部分と経済的な部分含めてです、2つ目、65歳の完走時の自分の資産内容をどのようなレベルとバランスにイメージしておくかではないでしょうか?」

A先生「そうですね、35年間についてもそうですけど、セカンドライフも出来れば上の中レベルの暮らしが理想ですよね。」

ボス 「チャップリンも言ってましたが、人間の幸福にはお金も不可欠とか言う言葉もあります、そうです不可欠と言いましょうかかなり重要な部分だと思います。」

A先生「そう思います。」

ボス 「では、この35年間をファイナンシャル的に分析をいたしましょう、開業して新品のユニット・パノラマ・内装、気持ちいいですねユニット・パノラマの税務上の法定耐用年数はご存知ですか?」

A先生「7年でしたよね」

ボス 「正解、税務上7年ですがでは、経済的な耐用年数、要するに歯科医師の皆さんがユニットを交換するのは?」

A先生「どのくらいですか?」

ボス 「私どものクライアントの先生は平均12年でしょう、内装は法定耐用年数は10年ですがこちらは経済耐用年数は気にしなければ20年かもしれません、しかし、現実的な診療所の清潔感耐用年数で言えば、やはり12年と言うことではないでしょうか。」

A先生「車はどの位乗られていますか?」

ボス 「車が趣味という先生で無い限り輸入車ですと9年と考えて言いと思います。」

A先生「いい目安ですね」

ボス 「そうしますと車は別として、大きなものは大方12年ですから35年間はファイナンシャル的に捕らえれば3回転です。」(後述Ⅷ―13参照)

A先生「なるほど、ポイントが絞れてきて気分がすっきりしてきました」

ボス 「そうそう先生の色々な環境に対するモチベーション耐用年数も12年かもしれませんね、マラソンでいえば皆さんは12年ごとに給水ポイントに来るということです。1回目の給水ポイントそれはあなたが42歳から45歳ぐらいでしょう、特に特に注意したいのはテナントで開業されている先生です。」

A先生「私テナント開業です。」(後述Ⅷ-8参照)

ボス 「この時点で先生あなたは考えてください、次の2回転24年間診療所の家賃を払い続けることになりますが、24年間家賃を払い続けることはその24年間の家賃総額たるもの、ファイナンシャル的に考えれば診療所に相当する不動産そのものが買えてしまうそんな金額です。」

A先生「うっ、よく考えればそういうことですね、オーナーはそれが商売なんですから。」

ボス 「どうしますか?このまま他人であるオーナーにみすみす家賃を払い続けますか?、それとも近くに不動産を購入して診療所を移転して家賃の支払いではなくその不動産の購入に対する借入金の返済として支払いますか?どうしますか?と言う判断を迫られる時期であります」

A先生「開業当初は歯科医院そのものがやっていけるかどうかが不安ですから、はじめっから不動産を買うなんていうことは微塵も考えていませんでした」

ボス 「そうなんです一番の理想で言えば開業時に35年間のライフプランを立て80歳までのファイナンシャルプランニングをしておくことなんです。

頭で考えるのではなくきちんとライフプランを紙に書きとめそれをファイナンシャルプランナーにファイナンシャルプランニングを立ててもらうことなんです。

場合によってはそのプランニングシートを院長室や自宅のトイレにでも貼って常に意識をすることが重要なんです。このテーマはその時期がきたら考えればいいテーマでは無く、開業して3年もすれば軌道に乗るでしょうから、それからは常にそのことを意識してライフプランニングを調整していく必要があります。

おかなければなかなか実現することではありません、それに不動産は縁のものですからいつもアンテナをはって情報を収集しておくことが肝心です。あわよくばこの不動産が診療所関係の医療ビルになっていたり又はそのようなロケーションであれば投資不動産という観点でなく収益物件と言う観点から思い切って購入しましょう。

こんな大きなイベントにもなりうるこの給水ポイント、このポイントを逃すととても今後の走りにも大きな影響を及ぼしますことは間違いが無いでしょう。

重要ですね、重要ですとても、こんなマクロ的なライフプランニングが出来上がっていれば後は綿密にファイナンシャルプランを立てて診療に専念するだけですね。そうそう家族サービスも忘れてはいけませんよ。

いかがでしょうかライフプランニングファイナンシャルプランニングがどれだけ重要か人間は目標を立てれば知らず知らずにもその目標に近づくもしくは達成してしまうものです。この本を読んだということはそれだけで足が一歩前にでた証拠です。

これからは受身の日常ではなくご自分のイメージに近い日常になるようポジテイブに生きていきたいものです。

投稿者 dentfp-master : 2005年10月28日 11:00

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