11月1日満を持して発刊
「歯科医師にファイナンシャルプランナー」

ムリ、ムダ、ムラの無い歯科医院経営とライフプランニング
デンタルダイヤモンド社
定価3,780円(3,600円+税)


前作「医師・歯科医師の正しい財産の作り方」から3年。業界に新しいマネージメントの形を創作した内容でマネージメント業界をリードする本となりました。
今回は歯科医師とFP(ファイナンシャルプランナー)に特化した内容でより身近なテーマでまとめあげました。
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2006年07月29日

ゼロ金利政策解除後の影響

 ここ最近新聞等で「ゼロ金利解除」と言う記事をよく目にすると思います。
そもそも「ゼロ金利政策」とは、バブル崩壊後の景気改善策として、金融政策においても緩和が求められることになり、1999年3月短期金利の指標である無担保コール翌日物金利を史上最低の0.15%に誘導することが決定されました。このとき、当時の日本銀行総裁速水優が「ゼロでも良い」と発言したことからゼロ金利政策と呼ばれるようになりました。

では、ゼロ金利が解除(7/14にされました)されると生活や事業はどうなるのでしょう?
金利が直接的に関係するのは、預けている預貯金等と、住宅ローンや事業資金もしくは設備投資資金等として起こした借入金が挙げられると思います。

-預貯金-
日本銀行の調査によると、預入期間1年の定期預金金利では、預入額が1000万円以上では0.092%から0.134%、300万円以上1000万円未満は0.091%から0.127%、300万円未満は0.089%から0.124%へと、それぞれ前回調査時点よりも上昇したそうです。
 500万円を定期預金にした場合の解除前後での年間受取利息の差額は・・・
 6,350円-4,550円=1,800円  たいした事ありませんね。

-借入金-
変動金利で契約している借入金は、来月にも年利は0.125ポイント程度上昇(現在年利2.375%なら年利2.5%に上昇、いわゆる短期プライムレートに)される見通しです。
 この利率で、2,000万円を借入したときの解除前後での年間支払利息の差額は・・・
 (便宜上借入元金は1年間ずっと2,000万円として計算)
 500,000円-475,000円=25,000円 意外と大きいですね。

銀行借入が多い先生には改正の影響が大きいですから、借入条件・借入期間・金利を今一度見つめ直す必要があるのではないでしょうか?

投稿者 test1 : 10:40 | Trackback (0)


2006年07月13日

計画年休制度

 7月も中旬になり、もうすぐ梅雨明けですね。梅雨が明けると夏本番ということで、今回は有給休暇・夏期休暇についての話をしましょう。
 有給休暇は労働基準法で定められた労働者の権利です。しかし、従業員が数人の歯科医院では、一人休んだだけでもその日の診療は大変なことでしょう。そこで、検討していただきたいのが計画年休制度です。
 計画年休とは、具体的に、例えば、3日間の夏期休暇を規定・明文化し、その前後2日間を休暇とすることで有給休暇の消化にするとか、飛び石連休の間の出勤日を有給休暇とすることが考えられます。ただし、従業員が自由に使える有給休暇を5日残さなくてはなりません。
 計画年休制度を実施するためには、事業主が従業員の代表と書面で協定を結ばなければなりません。その協定事項は次の事項です。
  1.年休を与える時期
  2.計画年休の対象となる従業員の範囲
  3.計画年休の変更に関する用件・手続きなど
 協定を結ぶときには、労働者の個人的な事情、歯科医院の経営への影響なども考える必要があります。
さらに、就業規則にも計画年休の規定を設けておくことが必要です。
いずれにせよ、先生と従業員との間で事前に十分な話し合いをされてゆくのが望ましいでしょう。

投稿者 test1 : 09:39 | Trackback (0)


2006年07月05日

交際費の取り扱い

 まず、現行法の交際費の取り扱いをご存じでしょうか?
個人開業されている先生は、所得税法により、診療収入に直接的に対応する支出交際費が必要経費として認められます。
これに対して、医療法人として開業されている場合は、法人税法により年額400万円を上限とし、かつ支出交際費か400万円のうち少ない金額の10%が損金として認められません。

 具体例 ~医療法人の交際費 その1~

  A.医療法人の交際費年間合計額が200万円の場合
    損金算入限度額 200万円-(200万円×10%)=180万円
    切捨てられる額  200万円-180万円=20万円

  B.医療法人の交際費年間合計額が50万円の場合
    損金算入限度額 50万円-(50万円×10%)=45万円
    切捨てられる額  50万円-45万円=5万円

 ここで医療法人の先生に朗報なのが、先般の税制改正による交際費取り扱いの緩和です。
変更内容を簡単に申しますと、「取引先等との飲食費のうち、ひとり当たり5千円以下の場合はこれを交際費から除く(つまり全額損金算入できる)」と言うものです。
(平成18年4月1日以降開始事業年度から計上する交際費から対象となります)
上記具体例における交際費のうち2割がこれに該当する場合の切り捨て額は次の通りです。

 具体例 ~医療法人の交際費 その2~

  A’.医療法人の交際費年間合計額が200万円(うち40万円が除外交際費)の場合
     損金算入限度額 (200万円-40万円)-(160万円×10%)=144万円
     切捨てられる額  160万円-144万円=16万円
     Aとの差額   4万円

  B’.医療法人の交際費年間合計額が50万円(うち10万円が除外交際費)の場合
     損金算入限度額 (50万円-10万円)-(40万円×10%)=36万円
     切捨てられる額  40万円-36万円=4万円
     Bとの差額   1万円

 ~まとめ~
 2つの具体例のそれぞれA・Bを比べると、毎年の支出交際費が多く、なおかつその内訳が少額(ひとり当たり5千円以下)の飲食費が多い場合に、損金計上が有利になります。

しかしながら、この緩和措置の適用要件として、国税庁は次のように条件を定めています。

「交際費等除外の規定は次の事項を記載した書類を保存している場合に限り適用されます。」
 ① 飲食等の年月日
 ② 飲食等に参加した得意先、仕入先その他事業に関係のある者等の氏名又は名称及びその関係
 ③ 飲食等に参加した者の数
 ④ その費用の金額並びに飲食店等の名称及び所在地(店舗がない等の理由で名称又は所在地が明らかでないときは、領収書等に記載された支払先の名称、住所等)
 ⑤ その他参考となるべき事項

 税務署は今回の緩和措置にともない、領収書等の記載事項に不備がないかチェックを徹底する模様です。
一般的な領収書に記載されている内容のほか上記②③等の情報がオープンになることで、反面調査や不正の洗出しが容易になるようです。
 万が一、出席者数の水増しや接待の相手方を偽ったこと等が発覚した場合、事実の仮装・隠ぺいがあったとして重加算税が課されてしまうほか、申告内容の全てが疑われ、以後徹底的な調査を受ける事にもなりかねませんので十分に注意しましょう。

投稿者 test1 : 10:50 | Trackback (1)